日本では、coniferのことを針葉樹といい、coniferous forestのことを針葉樹林という。
本来なら、針葉樹はneedle-leaved treeであり、針葉樹林はneedle-leaved forestである。
どのような経緯があるのだろうか?
内務省山林局『山林叢書. 第14巻』(1879年=明治12年)の「海松(ピニース・ピナストル)」の説明には、「針葉樹中脂を多く流出するの第一とす」とあり、すでに分類群として「針葉樹」という用語が存在したことを示す。球果のことは「松毬」と呼んでいる。
本多静六の著書を見ると、1899年の『提要造林学』にすでに「針葉樹林」と「針葉林木」という用語がある。
1901年には『造林學各論. 第1編(針葉林木及竹類椰子類篇)』が出版されている。
その巻末には「分科系投表」があり、Coniferiaeを「松柏植物」とし、「又針葉樹、単葉にして針状若しくは鱗状稀に広葉をなす」と説明がある。「松柏植物」はさらに「松科」と「一位科」に二分され、前者では「多肉の果皮を有せざる種子にして数多の鱗片からなる毬果内に生ず」るのに対し、後者では「多肉の果皮を有する単果実状の種子を生ず」る。
posted by なまはんか at 21:48|
覚え書き
|
|