キリマンジャロはタンザニア北部にあるアフリカ最高峰である。山頂の標高は5895m。山脈の一部ではない単独峰(free-standing mountain)としては世界最高といわれる。南緯3度というほぼ赤道直下にあるが、山頂部の平均気温は0度以下で、氷河が存在する。
キリマンジャロの植生は以下のように変化する。植生帯の標高はあくまで目安であり、乾燥した北斜面と湿潤な南斜面で異なる。
800-1800m サバンナ・山麓帯(savannah and cultivated land)
1800-3000m 森林帯 (rainforest)
3000-4000m ヒース・ムーアランド帯 (heath and moorland)
4000-5000m 高山沙漠帯 (alpine desert)
5000-5895m 氷河・裸地 (icecap and bare land)
植生変化の要因として一番重要なのは気温である。南部山麓のモシ(813m)の年平均気温は23.4℃であるが、標高が100mあがるごとに0.56℃低下し、山頂では-7.1℃となる。標高2700m以上では乾季に霜がおり、標高約4700mで年平均気温は氷点下となる(Hemp 2006)。
気温だけでなく年降水量も標高によって大きく変化する。ただし、降水量は山腹で最大となる一山型パターンである。南部では、山麓(モシ)では約1000㎜だが、標高とともに増加し2200m付近で最大値の2700㎜に達する。さらに標高があがると今度は降水量は減少していき、標高3200m付近で1000㎜以下となり、山頂部では200㎜程度となる。キリマンジャロの気候には明瞭な季節性があり、乾季にはほとんど雨が降らないので、降水量の絶対値から感じられるよりも乾燥の影響はずっと大きい。したがって、気温だけでなく降水量も植生帯の変化に影響しており、特に標高3000m付近での森林からヒースへの変化は、降水量の低下にともなう山火事の影響が大きいと思われる。
以下のデータのように6月から10月にかけて明瞭な乾季がある。
モシ(3.40°S 37.29°E. 813m )の降水量。
| ㎜ | 38.4 | 45.5 | 117.2 | 328.3 | 179.6 | 34.6 | 20.8 | 17.2 | 14.8 | 32.8 | 67.3 | 52.6 | 955.6 |
アルーシャ(3.33°S 36.60°E. 1387m )の降水量
| ㎜ | 66.9 | 75.6 | 160.9 | 355.9 | 179.2 | 32.9 | 14.6 | 17.2 | 18.0 | 35.9 | 125.4 | 100.3 | 1191.3 |
山頂部の降雪も同様の季節変化を示し、6月から9月の月降雪量は3cm以下だが、その他の月には10cm以上の降雪があり(ただし、10月は8cm)、12月には約30cmに達する。
ラベル:生物学

