2012年11月26日

ワイタムの森

世界で一番研究されている森林と言われているのが、オックスフォード大学が所有するワイタムの森である(Wytham Woods, http://www.wytham.ox.ac.uk/index.php)。
日本でもオックスフォード大学の動物生態学者エルトンの調査地として有名。オクスフォードの町から車で15分程度。バスの便はなく、オックスフォードの町との間にハイウェイがあるので歩いて行くこともできない。車でないと行くのは難しい。なお、入林には事前に申請が必要。書類を書いて郵送すればよい。一般市民の散策目的であっても許可はもらえる。
 
森の入り口の案内板。牧場とテムズ川に囲まれた島状の孤立林である。白地の部分は牧場や集落。森の中にも牧場がある。面積は390ヘクタール。2km四方が400ヘクタールなので、それよりちょっと小さい。意外に小さいのに拍子抜けした。日本の大学演習林はもっと大きいのが普通。ただ、孤立林ではあっても、西方のコッツウォルズ丘陵へと連続する田園地帯の東端であり、景観レベルでは野生生物の住み場所として十分機能しているようだ。イメージ 1
 
たまにナラとブナの大きな木があるが、二次林であろう。
ナラ。
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ブナ。
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若い二次林。手前の葉が大きい低木は、クリ(Sweet chestnut, Castanea sative)のひこ生え。2年前に伐採したところ。かつては牧場の柵の材料にするため20年程度の周期で伐採していた、などと手前の看板に書かれていた。
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こんなふうに羊がいる。鉄条網のフェンスで森には入らないようにしてある。
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テムズ川の向こうにオックスフォードの町が見える。
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ラベル:ヨーロッパ
posted by なまはんか at 06:39| イギリスの自然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月20日

コッツウォルズ北部

コッツウォルズの北部では、石灰岩が褐色を帯び、蜂蜜色と呼ばれる色合いになる。褐色になる理由は石灰岩中の鉄分が酸化するためと思われるので、北部のほうが鉄分含量が多いのであろう。
 
チェルトナムの20kmほど北西にある町ブロードウェイの建物。
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ブロードウェイはコッツウォルズ丘陵の北西麓にあり、すぐ上の丘陵の縁にはブロードウェイタワーという展望台がある。
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ブロードウェイタワーのある丘(Broadway Hill)は、コッツウォルズでCleeve Hillに次ぐ高さである(312m)。Cleeve Hillと同様、コッツウォルズ丘陵の北西端にあたり、眼下には平野が広がる。 ブロードウェイタワーも蜂蜜色だが、石灰岩ではなく他所から運んできた砂岩でできているらしい。
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ブロードウェイタワーからブロードウェイの町を見下ろしたところ。タワーの高さは17mなので、Cleeve Hill(330m)とほぼ同じ高さである。
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ブロードウェイの5km東にはチッピングカムデンという街がある。こちらは丘陵上の谷間に位置する。
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チッピングカムデンの蜂蜜色の建物。
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チッピングカムデンとブロードウェイの間にあるDover's Hill。やはりコッツウォルズの北西縁にあたる。
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『地球の歩き方』によると、「北東部ではハチミツ色をしたこのライムストーンは、中部では黄金色となり、さらに南西に下るに従って真珠のような柔らかい白色へと変化してゆく」とのこと。しかし、私が行った町では中部(チェルトナム、バイブリー、サイレンセスター)と南部(カールスクーム)は白っぽいが、北部(ウィンチクーム、ブロードウェイ、チッピングカムデン、モートンインマーシュ、チッピングノートン)に行くと突然ハチミツ色になるように思われた。特に、チェルトナムで白かった建物が、その10km北東のウィンチクームに行くと急に蜂蜜色になるように感じられた。石切り場はそんなにたくさんあるわけではないので、どの石切り場で採れた石を使っているかによって、建物の色が地理的に不連続に変化していてたとしてもおかしくはない。
 
ラベル:ヨーロッパ
posted by なまはんか at 06:31| イギリスの自然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月13日

コッツウォルズ中部~南部

コッツウォルズ(Cotswolds)はイギリスの「伝統的いなか」(地球の歩き方)として人気のある観光地である。イングランド南西部、ブリストル海峡(ウェールズとコーンウォール半島の間)のすぐ東に位置する丘陵地帯である。すぐ西は大西洋なのだが、ロンドンから車で2~3時間でいける。テムズ川の源流があるのもここである。
 
コッツウォルズ丘陵はチルターン丘陵と同様に、北東~南西方向に長く、北西端が急斜面で終わり、南東に向かって徐々に低くなっていく。ロンドンから西にテムズ川をさかのぼっていくと、チルターン丘陵の南端レディングを過ぎてから北に向かいオックスフォードに至る。オックスフォードからは再び西に向かい、コッツウォルズのほぼ中心サイレンセスターの南西に水源(Thames Head, 標高約100m)がある。
 
コッツウォルズの最高点はチェルトナムの北東に位置するCleeve Hillである(標高330m)。丘の北西は急斜面で終わる。これはコッツウォルズ丘陵全体の北西端でもある。下にチェルトナムのあるグロースター平野(標高約50m)が見える。画面中央の木立は、2枚おいて下の遠景写真で見える木立。右側の牧草地の中に常緑のハリエニシダの小さな茂みが見える。この写真には写っていないが、柵の左側には広い面積のハリエニシダの藪があった。
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最高点は丘の縁からやや奥にあり、丘の上の平坦面にあるので眺望はない。地図によると、この羊が放牧されている一角の中央付近と思われる。
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丘から南東方向(ロンドンのある方向)を見ると、このように徐々に低くなっていく。
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南方のLeckhampton Hill(後述)から見たCleeve Hill。最高点は右端近く。突き出た木立(1枚目の写真に移っている)の右側の平坦部。ハリエニシダが生えているので稜線は濃い緑色。手前はチェルトナムの市街地。
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Leckhampton Hillの西の急斜面には、Devil's Chimneyと呼ばれる奇妙な岩がある。下にはチェルトナムの街が見える。イメージ 5
成因は定かでない。自然にできたという説(Forty 2010)と、この斜面は石切り場(quarry)の跡地であり、石切り職人たちが遊び心で(as a joke)切り残したという説(Wikipedia)がある。
 
Devil's Chimneyのすぐ横には明らかな石切り場跡があった。崖の上の平坦部がLickhampton Hill(標高293m)。白亜紀起源のチョークの崖と同じように地層の横じまが見えるが、コッツウォルズの石灰岩はジュラ紀に起源があり完全に石化している。イングランドのジュラ紀石灰岩はooliteと呼ばれ建築材として広く用いられた。
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「最も古い町並みが保存されている村」、Castle Combeの建物。コッツウォルズの南部。
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「イングランドで一番美しい村」、Biburyの建物。コッツウォルズの中部。
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この2か所とも、石灰岩は蜂蜜色というよりやや白っぽい。コッツウォルズ北部に行くともっと蜂蜜色になる(https://vegetation.seesaa.net/article/a14339031.html)。
 
Biburyにある水車小屋Arlington Millの屋根部分。屋根は石灰岩の薄い板で葺いてある。出窓部分は壁も同じ石灰岩の板を使っている。
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水車の動力を使って、羊毛で織られた衣類の仕上げの洗浄(fulling)を行っていたそうだ。BiburyにはArlington Rowという長屋もあって、そこには織り子たちが住んでいたそうな。もちろん羊毛は、コッツウォルズの牧場の羊から取られたもの。
 
Cotswoldsのwoldは古い英語で森を意味し、ロンドンの南の堆積岩地帯wealdの語源と同じである。Wikipediaによると、Weald is specifically a West Saxon form; wold is the Anglian form of the word.だそうな。ドイツ語だとWaldですね。
 
1日であちこち行ったので疲れた。走行距離は260マイル=418km。朝7時にヒースロー空港を出て夜7時着。家を出たのは5時(4時半起床)で帰宅は8時すぎ。帰りはオックスフォードの手前で渋滞あり。
ラベル:ヨーロッパ
posted by なまはんか at 05:52| イギリスの自然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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