ちょうどイギリスに滞在しているので、イギリス生態学会の年次大会に行ってきた。10年以上会員になっているが、出席したのは初めて。
開催期間は12月17-20日だが、17日は夜の歓迎会だけ、20日はランチタイムの前まで(~13:30)なので、実質2日半しかない。今年の会場はバーミンガム大学。下の写真はプレナリー(plenary, 全員出席の)講演の会場のようす。総会(General Annual Meeting)も同じ会場でおこなわれた。議事次第は日本生態学会大会の総会とよく似ている。ただし、各賞の授賞式は記念品授与だけで、受賞者の講演はプレナリーではなく、口頭発表のセッションに埋め込まれている。時間も15分で一般の講演者と変わらない。
プログラムからざっと見積もったところ、口頭発表が400題、ポスター発表が150題程度。プログラムが印刷された時点での参加登録者数は800名とのこと。アメリカ生態学会大会よりもはるかにこぢんまりしている。日本生態学会大会と比べても規模は小さいのではないか、と思う。
ただ、日本生態学会大会の参加者がほとんど日本人だけであるのと違って、発表者の半分程度はイギリス人以外と思われる。こんなに外国人が多いのはイギリスが実質的な世界標準語である英語の母国であることが大きいでしょう。英米人(そして言語と文化の英米との共通性が高い欧米人)は生まれながらに有利、世の中って本当に不平等ですね。イギリスの大学院で勉強している外国人も多いし、ヨーロッパ各国(ドイツ、スウェーデン、スペイン、チェコなどが目立った)やアメリカ合衆国から来ている人も多い。アジアからだと中国人が一番多いように見えた。
日本人でイギリスに留学している大学院生が2人、ポスドクが1名口頭表していた。日本の大学に所属している発表者は6人(口頭1、ポスター5、うち2名は韓国・中国からの留学生)。2010年のアメリカ生態学会大会にくらべてずっと少ない。アメリカであろうがイギリスであろうが、海外でがんばっている日本人を見るのは心強い。環境が不平等と愚痴っていてもしょうがないので、自分で努力しないといけないですね。
口頭発表は質問時間を含めて一人15分で、日本・アメリカの生態学会と同じ。セッションごとに固定された司会者がいるのは、ATBCと同じ。日本とアメリカの生態学会大会では前の講演者が次の講演者を紹介するが、日本では前の講演者がそのまま次の講演の質問のときの司会者になるのに対し、アメリカでは次の講演者本人が司会者になる。日英米それぞれ違うのがおもしろい。午前と午後にお茶の時間(コーヒーも出ます)が30分程度確保されているのはイギリス独特。
ラベル:ヨーロッパ