8月にニューヨークに行ってきた。
自由の女神があるリバティ島からマンハッタンを見ると以前はこうだった。世界貿易センターのツインタワーがひときわ抜き出ていた。
それが2001年、9.11によってこうなった。
世界貿易センター跡地「グラウンドゼロ」は再開発工事中。周辺のビルは無傷で残っている。マンハッタンにぽっかりと開いた「穴」のようだ。
穴の縁のビルの壁にレリーフが展示されている。炎上する世界貿易センタービル。原爆のキノコ雲を連想させ、まがまがしい印象を与える鬼気迫る作品。なお、ツインタワーに突入した2機の飛行機はいずれも、ボストン・ローガン空港発西海岸(ロサンゼルス)行きの便だった。私もカリフォルニア旅行のときに同じような便(サンフランシスコ行きや、ロサンゼルス発の逆経路)を利用したので、人ごとではない。
消火活動にあたる消防士たち。勇ましいというよりは、悲壮な感じを受けた。
殉教者の列のようにも見える。この後ツインタワーは崩壊し、多数の消防士たちも犠牲となる・・・。
命を落とした消防士たちだろうか・・・
こちらを見ると、「supreme sacrifice」をおこなった消防士達として、343人の顔写真が示してある。これだけ亡くなったということのようだ。
レリーフの飾ってあるビルの一角にビジターセンターがあった。
犠牲者たちの名前。世界貿易センタービルでは2602人が亡くなったという。消防士が13%を占めることになる。周辺を含めたニューヨークで2749人、3機目が突入したペンタゴンと墜落した4機目を合わせると2973人が犠牲になった。
日本人犠牲者の家族が寄贈した千羽鶴。被爆少女の話を説明したパネルもあった。
アメリカ人が落とした2発の原子爆弾で、21万人(広島14万人・長崎7万人)が死んだことを、どれだけのアメリカ人が知っているだろうか?
後記:今日はアメリカ時間の12月7日(日本時間12月8日)。真珠湾攻撃を記念する行事が行われたというニュースがテレビで流れている。9.11以前には、敵による攻撃によってアメリカが受けた最大の被害は、2400人が犠牲になった真珠湾攻撃であった。
ラベル:北アメリカ