ニューヨークのブロンクス郊外にニューヨーク植物園がある。マンハッタンから電車で1本、下りた駅の目の前に門がある。
門を入ってすぐに芝生がある。立て札には「The irrigation ot the great lawn is made possible by the generosity of Dr. and Mrs. Karl M.F. Wamsler」と記されている。アメリカ東部の公園や公共施設には芝生が多いが、その維持にはかなりの費用がかかっていると思われる。
古風な温室。「Enid A. Haupt Conservatory」と書かれてある。conservatoryには、芸術学校・音楽学校のほかに温室という意味もある。
「edible garden」を標語に市民が気軽に楽しめる植物園を目指しているようだ。
敷地は広大で、奥には再生した二次林がある。白人がやって来る前のアメリカ東部に存在した森林に近いと思われる。もともと山火事の影響で二次林であろうから。
湿地生態系を模した一角もあった。三菱の援助で作られたようで、「Mitsubishi wild wetland trail」と書かれていた。
写真を撮るのを忘れたが、芝生の奥に見えている建物の右に研究棟があり、そこに植物標本庫がある。行った時には知らなかったが、ニューヨーク植物園(略称NY)は植物標本の所蔵数では世界第2位で、アメリカでは1位らしい。アメリカの植物標本館で熱帯植物の標本が充実しているのは、熱帯アメリカ植物ではミズーリ植物園、熱帯アジアの植物ではハーバード大学という印象があるので、温帯の植物が特色なのかもしれない。なお、植物標本数所蔵数が世界最大なのはフランスの国立自然史博物館(950万点)で、2位はNY(720万点)、3位はロシアのコマロフ植物研究所(716万点)、4位がイギリスのキュー王立植物園(700万点)。ミズーリは6位(587万点)、ハーバードは8位(500万点)、オランダのライデンは11位(400万点)(Wikipediaによる)。アジアで多いのは、中国国立植物標本館(247万点)、インドネシアのボゴール(200万点)、東京大学(170万点)など。
ラベル:北アメリカ