2012年01月06日

Gap, Notch, Pass, Path...

アメリカにも方言があり、それぞれの地方特有の言い回しがある。加藤則芳「メインの森をめざして」にもそのような例がいくつか出てくる。
ギャップgapとは、一般的には隙間とか、切れ目、割れ目という意味だが、アメリカのこのあたりでは、稜線の切れ込みを意味する。要するに峠だ。アメリカでもほとんどの地域では、峠をパスpassというのだが、南部アパラチア地方では、ギャップと表現する。(38ページ)
 
・・・ニューハンプシャー州に入って「ノッチ」という用語が増えたことにお気づきになったかと思う。これまで使っていた「ギャップ」と同義で、一般的な英語で使われる「パス(峠)」にあたる。このあたりのアパラチアン・マウンテン・クラブの管理エリアに限ってはノッチと呼ばれている。ノッチとは、V字型の切れ込みや、谷合いの細い道や切り通しなどを意味する。つまり、普通の峠というよりは、このあたりは鋭い岩山や、深く切り立った峡谷が多いために、峠道自体にそのような用語が使われているのだ。(490ページ)
 
リーン・トゥーlean-to。初めての用語だ。これ以降、コネチカット州、マサチューセッツ州、そして最後のメイン州内のシェルター(引用者注:避難所)をリーン・トゥーと呼ぶ。同じニューイングランドでも、ヴァーモント州、ニューハンプシャー州では今までどおりシェルターと呼ぶのだが、この使い分けの理由は特に大きな意味があるわけではなさそうだ。(424ページ)
ただし、ノッチは氷食地形のU字谷で形成された峠を特に指すのではないかと思う。https://vegetation.seesaa.net/article/a12084073.html
 
Wikipediaによると以下のようである。http://en.wikipedia.org/wiki/Mountain_pass
 
 In the United States, pass is very common in the West, the word gap is common in the southern Appalachians, notch in parts of New England, and saddle in northern Idaho.
 
地方によって峠の呼び名はいろいろなのだが、それぞれの地方の特徴的な地形に合わせて言葉も選ばれているのかもしれない。というのもニューハンプシャーであってもノッチと呼ばれないで、コル、ギャップ、パスと呼ばれる峠もあるからだ。
 
なお、カタカナにするとパスで同じだが、passでなくpathは、山道をさす。下の写真によると、ワシントン山頂に至るアメリカ最古のハイキングトレイルはCrawford Pathというらしい。 Wikipediaによるとpassとは、a path between two mountainsである。
 
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ラベル:登山
posted by なまはんか at 04:28| ホワイトマウンテンズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月23日

ヤマモモ科

ヤマモモ科(Myricaceae)は世界中に分布するcosmopolian(汎地球分布)だが、ほとんどの種(35種)はMyrica(ヤマモモ属)に属し、Canacomyrica(ニューカレドニアに固有)とComptoniaが1種ずつある。そのうち、ComptoniaをホワイトマウンテンズのBlueberry Mountainで見た。
 
じつは、この木、ハーバード大学植物標本館のすぐ北側の植え込みにたくさん生えていて、ヤマモモに似ているなと思って前から気になっていた。ただ自生植物かどうかわからなかった(アメリカは帰化植物・栽培植物が多いです)し、樹木図鑑を見ても載っていないので、それ以上追求しなかった。今日ふと思いついて、ちょうど標本館の前の花壇で作業をしていたエミリー・ウッズさんに聞いてみたところ、種名が判明した。Comptonia peregrina、英名はSweet fern。やはりヤマモモ科だった。北米東部に広く分布する。樹高1.5mほどの落葉低木。とても背が低いので樹木図鑑にのってないのだろう。
 
これがホワイトマウンテンズで見たもの。川に近い砂地っぽいところに生えていた。イメージ 1
 
葉はヤマモモの稚樹に似る。葉の腋から花序のようなものが出ている。ネットで調べると雄花と雌花があると書いてあった。しかし、この種がヤマモモと同様の雌雄異株なのかどうか、この写真にうつっているのがどちらの性の花なのか、文献を読んでもよくわからなかった(分類学の文献はジャーゴンだらけ!生態学者には理解困難です)。
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ラベル:生物学
posted by なまはんか at 05:58| Comment(0) | ホワイトマウンテンズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月03日

森林限界付近の樹木

ワシントン山では、バルサムモミ(Balsam fir)が針葉樹林帯から森林限界まで優占し続ける。まず、針葉樹林帯の中の風当たりの強い尾根で、このような偏形樹(flagged tree)となる。
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標高があがりクルムホルツ帯に入ると、密度がまばらになり、バルサムモミの間にツツジ科の低木や草が混じるようになる。バルサムモミは梢の先端が枯れて横に広がった樹形になる。
イメージ 2
 
上の写真の下のほうに近づいて撮った写真。葉の大きいほうはイソツツジ属(Labrador tea、Ledum groenlandicum)。葉が小さくて赤い実がなっているのはMountain cranberry (Vaccinium vitis-idaea)、なんと日本のコケモモと同種。そのほか、イワウメ・エゾノツガザクラ・ミネズオウなども日本の高山帯との共通種。
イメージ 5
 
クルムホルツ帯には、ダケカンバによく似たPaper birch (Betula papirifera)も出現するが、日本のダケカンバ帯のように独立した森林帯を作ることはない。
イメージ 3
 
日本の森林限界付近にはミヤマハンノキも多いが、ワシントン山でもMountain alder (Alnus viridis)が出現する。ただし、決して多くはない。上と同じカバノキ科の落葉樹だが、こちらはまだ青々としている。窒素固定することが関係しているのだろうか?鹿児島の桜島でも、ヤシャブシは秋遅くまで緑のままだが、ミヤマハンノキではどうなんだろう?イメージ 4
 
このように、出現する種はよく似ているのだが、日本の森林限界とはかなり異なっている。このほか、森林限界付近には、ヤナギ属の矮性低木が5種も出現するらしいが、見つけることができなかった。もう落葉していたのかもしれない。
ラベル:生物学
posted by なまはんか at 12:57| Comment(0) | ホワイトマウンテンズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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