北カリフォルニアの海岸部では、安定した基質上に成立する極相林は針葉樹林である。極相林の優占種は、海沿いでは潮風に強いシトカトウヒ、潮風が届かない谷底ではレッドウッド、斜面上部ではダグラスファーである。ただし、川沿いや湿地沿いの樹木が定着し始めたばかりの場所では、一時的に落葉広葉樹林(陽樹林)ができる。いったん落葉広葉樹林ができて、基質(ふつうのことばで言うと地面)が安定すると、徐々に針葉樹林(陰樹林=極相林)へと置き換わっていくだろう。このような植生の移り変わりの過程を遷移(succession)という。
これは、レッドウッド林の中を流れる小川沿いの河畔林(Riparian forest)。黄葉しているのはBigleadf Maple。薄緑色は、ヤナギ類やハンノキ(Red alder)だろう。すぐ背後にレッドウッド林が迫っている。川べりの基質が安定すれば、レッドウッド林が進出してくるだろう。Jedediah Smith Redwoods State ParkのHowland Hill Roadにて。
これはHumboldt湾の中に作られた人工淡水湿地(Arcata Marsh)に成立した落葉広葉樹林。下水処理施設の一環として作られた。ヤナギ類が多い。手前にはガマが生えている。ところどころにシトカトウヒやレッドウッドも生えているので、やがて(数100年後?)針葉樹林に遷移していくはずだ。
ラベル:生物学