2010年06月19日

カリフォルニアの花:北部海岸針葉樹林

カリフォルニアで見た花をいくつか紹介します。まず北部海岸針葉樹林の植物。
 
Pityopusです。Jug Handle(Fort Braggのすぐ南)の海岸段丘の1段目か2段目で見ました。なんとツツジ科(Ericaceae, Heath Family)の腐生植物です!そんなものは日本には1種もないと思いますが、アメリカにはいくつかの属があるようです。ただし、APGの分類体系では、シャクジョウソウ科(Monotrapaceae)に分類されていた種(ギンリョウソウMonotropastrumなど)ともに、ツツジ科の中のシャクジョウソウ亜科とされるらしい。ヨセミテのマリポサでは別の属のSarcodes sanguinea(英名snow plant、シエラネバダでは普通種らしい)を見ましたが、あいにく地上に顔を出したばかりで花は見れませんでした。
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Trillium ovatumです。英名もTrillium、エンレイソウですね。すでに花期がすぎていましたが、運良く1個体だけ花を見ることができました。ユリ科を細分するAPG体系では、シュロソウ科(Melanthiaceae)になるらしい。
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マイヅルソウ(Maianthemum dialatum)です。でかいけど日本のとそっくりと思ったら、なんと同種だそうです。APGでは、ナギイカダ科またはスズラン科(Ruscaceae)になるらしい。
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Clintonia andrewsiana (Red Clintonia)、ユリ科、ツバメオモト属です。APGでもユリ科(Liliaceae)のまま。分布域がレッドウッドとほぼ一致します(北カリフォルニア~オレゴン南部の海岸山地)。
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Prosartes smithii (Large-flowered fairy-bells, fairy-lantern)です。APGでは、イヌサフラン科(Colchicaceae)になります。以前はアジアに分布するホウチャクソウ属(Disporum)と同属とされていましたが、北アメリカの種は最近になって別属にされました。この種はレッドウッドよりもずっと北のカナダまで分布します。
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Redwood sorrel (Oxalis oregana)です。カタバミ科(Oxalidaceae, Wood Sorrel Family)です。
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Trientalis borealis (Starflower)。サクラソウ科(Primulaceae)、ツマトリソウ属。APGではヤブコウジ科とされます。ツマトリソウ属の花弁は7枚が基本らしいが、6枚のものが多かったです。北アメリカ全土に分布するが、西海岸のものはTrientalis latifoliaとして別種にすることもあるらしい。
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Rhododendron macrophyllum (Pacific rhododendron)です。常緑のシャクナゲ(ツツジ科)です。レッドウッドの下にこれがあると、屋久島のスギとシャクナゲの組み合わせを思い出します。
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Iris douglasiana (Douglas's Iris)です。アヤメ科(Iridaceae)です。カリフォルニアには何種かありますが、湿地に生えるわけではなく、林縁に普通です。
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Viola
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Heracleum maxim セリ科ハナウド属。ミュア・ウッズの道ばた。
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Marah oreganus
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Veratrum
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Stachys ajugoides シソ科(Labiatae Lamiaceae、シソ科、Mint Family)、イヌゴマ属。英名はHedge Nettle。カリフォルニアからオレゴンにかけての湿った場所に生える。ミュア・ウッズで見た。
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ユキノシタ科だと思うが、調べきれず。Jug Handleの林床。
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ラベル:生物学
posted by なまはんか at 20:52| Comment(0) | カリフォルニアの植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

カリフォルニア旅行:2種の「セコイア」

1週間ほどカリフォルニアを旅行し、セコイア国立公園、ヨセミテ国立公園、ミューア・ウッズとタマルパイス山、フォートブラッグ付近のpygmy forest、Clearlake付近の蛇紋岩植生などをざっと見て回りました。やはり一番印象的だったのは、ジャイアントセコイアでした。残念ながら、ヨセミテの山越えの道(Tioga road)が雪のためまだ開通しておらず、内陸部の乾燥地に生えるイガゴヨウマツ(Bristlecone pine)は見れませんでした。立派な森林だけでなく、今までなじみのない地中海性気候や乾燥地の植生も見ることができてたいへん面白かったです。
 
下が世界最大(体積で)の樹木個体、ジャイアントセコイアのシャーマン将軍General Shermanです。根元に赤と青のジャケットを着た人たちがいます。樹高83.8m、根元直径11.1m、幹のバイオマス1385トンだそうです。地上18mでも直径が5.3mもあります。縄文杉の胸高直径が5.2m、樹高が25.3mですから、縄文杉の樹冠をぎゅっと絞ってやれば、シャーマン将軍の幹の中にすっぽり入ってしまいます。
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シャーマン将軍の根元に枝が落ちていました。シュートはスギに似ています。稚樹のときは葉がとがっていてもっとスギに似ています。
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一方、こちらは世界一樹高が高い種であるレッドウッドです。ミューア・ウッズ国定公園の写真です。サンフランシスコ市内から車で1時間で来れます。レッドウッドの幹はスギそっくり。根元が黒いのは山火事の跡です。萌芽再生力が強く、山火事や伐採で主幹が損傷しても、ひこばえが成長します。
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レッドウッドのシュートです。下層の葉はメタセコイアに似ていますが、林冠の葉はスギに似ています。
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 ジャイアントセコイアはカリフォルニア内陸部のシエラネバダ山脈にだけ分布し、セコイア国立公園とヨセミテ国立公園で見ることができます。一方、レッドウッドは、おもにサンフランシスコより北の海岸山地に分布します。ですから、両者の分布域はシエラネバダと海岸山地の間に広がる広大な乾燥地セントラルバレーによって分断されています。
 
なお、ジャイアントセコイアの学名はSequoiadendron giganteumで、レッドウッドの学名はSequoia sempervirensです。学名と英名が一致しないので、ややこしいです。両者とも以前はスギ科(Taxodiaceae, Redwood Family)とされていましたが、最近では、スギ科をヒノキ科(Cupressaceae, Cypress Family)に含めることが多いようです。
 
シエラネバダと海岸山地には、上記の有名な2種以外にも多くの針葉樹が分布し、ある種が純林を形成することもあるし、多種が混交することもあります。下層には広葉樹(常緑も落葉もある)があります。これら山地針葉樹林は屋久島のスギ林に似ていました。
 
山地針葉樹林より乾燥した気候の低地では、針葉樹はマツ属だけになり、ほぼ常緑広葉樹林となります。この低地常緑広葉樹林は地中海性気候の硬葉樹林として東アジアの照葉樹林と区別されますが、思っていた以上に照葉樹林に似ていました(いろいろ違いもあるのですが・・・)。
ラベル:生物学
posted by なまはんか at 10:10| Comment(0) | カリフォルニアの植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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