裸子植物には、球果類(いわゆる針葉樹)のほかに、ソテツ類、イチョウ類、グネツム類がある。ソテツ類とイチョウ類は日本にもあるが、グネツム類は日本にないので、ふつうの人は知らないだろう。グネツム類は互いに似ても似つかない3つの科(グネツム科・ウェルウィッチア科・マオウ科)からなる。私もグネツム科の植物は東南アジアで見たことがあるが、ウェルウィッチア科(アフリカのナミブ砂漠にだけ分布)とマオウ科は見たことがなかった。今回カリフォルニアで初めてマオウ科の植物を見た。
Bristlecone pineを見に行く途中のホワイトマウンテンズのJuniper-Pinyonウッドランドで奇妙な植物を見た。

枝だけで葉がないように見えるが、よく見ると節に2枚ずつ鱗片状の葉がついている。

調べてみたら、これがマオウ科(Ephedraceae)の植物だった。種名はGreen ephedra (Ephedra viridis)。マオウ科の植物は、世界各地の乾燥地に分布する。エフェドリンというアルカロイドを含み、中国では古来から漢方薬の材料(麻黄)とされ、近年にも一時期ダイエット薬として一世を風靡したらしいが、その危険性が指摘され現在では流通していないらしい。
ラベル:生物学