気象庁によると5月23日ごろ、九州南部が梅雨入りした。「ごろ」というのは以下の理由による。「気象庁では、気象予測をもとに行う梅雨の入り明けの速報とは別に、梅雨の季節が過ぎてから、春から夏にかけての実際の天候経過を考慮した検討を行っています。この資料に掲載した期日は、検討の結果、統計値として確定したものです。(http://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/baiu/index.html)」今年は平年より8日早いらしい。アジサイの季節がやってきた。
大学では堀田満名誉教授が植えたトカラアジサイが咲いている。大学が改修を繰り返すたびに移植され、雑草と間違って刈り取られ等、、散々な目にあって、今では1株だけがキョウチクトウの根元になんとか残っている。5月3日に撮影した写真なので、もう1ヵ月近く咲いている。
『日本の野生植物』によると、「ヤクシマアジサイに似るが、葉の柄がやや短く、葉身は厚く、鋸歯は3-6mmである。」なお、ヤクシマアジサイの葉柄の長さは「8-26mm」、鋸歯の長さは「4-8mm」である。この個体だけ見ると鋸歯は長さだけでなく密度がヤクシマアジサイと違う印象がある。ヤクシマアジサイの鋸歯は『日本の野生植物』で「あらい鋭尖頭の鋸歯」と書かれているとおり、かなりまばらである。上の写真のトカラアジサイは、下の写真のヤクシマアジサイに比べると、鋸歯の数が多いように見える。
こちらがヤクシマアジサイ。2007年6月27日屋久島で撮影。確かに葉柄も長い。
ツルになるアジサイは世界でも珍しい。日本のツルアジサイのほかには南米に1種あるだけのようだ。下の写真は、やはり屋久島で2007年6月27日撮影。
こちらはイワガラミ(Schizophragma hydrangeoides)。やはりツルなのだが、アジサイ(Hydrangea)とは属が違って、装飾花の花弁が1枚しかない。普通花の花柱も違うらしく、イワガラミでは花柱が1個に合着するの対し、アジサイ属では花柱が2~3個で離生する。これまた屋久島で2007年6月27日撮影。
ツルアジサイとイワガラミは花がないと見分けにくいが、ツルアジサイのほうが鋸歯が細かい。樹皮も違ったように記憶する(ツルアジサイはオレンジ色で縦に裂ける、イワガラミは灰色で平滑)。
アメリカの庭先で見たアジサイはこちら。
ラベル:生物学
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