大学構内でイスノキ(マンサク科)が咲いている。イスノキは照葉樹林の優占種のひとつ。本州では照葉樹林の優占種というとカシ類・シイ類・タブノキが代表的だが、九州の山地ではイスノキの優占度が高い。屋久島では花山歩道入口・白谷雲水峡など標高500~900m付近でイスノキの優占する森林が見られる。カシ・シイ・タブと同様の大木になるが、生け垣に仕立てると小さいままでも開花する。大学構内でも樹高2m直径1cm程度で開花している。屋久島ではそんな小さな個体が開花しているのは見たことがない。イスノキは成長が遅いので、イスノキの大木がある森林は原生林に近いと考えてよいだろう。逆にカシ・シイ・タブは成長が速いので、これらの木の大木があったとしても、その森林が原生的かはわからない。
『日本の野生植物』によると、花序の構造は,以下のとおり。くどいけれども、「外見上の花」と「本来の花」を区別するために言葉をかっこで補ってみた。
総状花序は・・・上部に(外見上の)両性花、下部に(外見上の)雄花をつけるか、すべて(外見上の)雄花をつける。・・・(外見上の花に)花弁はなく、4-8枚の雄蕊と1本の雌蕊からなるが、(外見上の)雄花では雌蕊を欠く。この(外見上の)花は萼片が本来の包葉で、本来の萼と花弁とを欠き、1枚の萼片と数本の雄蕊とで1個の(本来の)雄花、1枚の萼片と雌蕊1本で1個の(本来の)雌花であり、外見上1個の花と見えるのは数個の花からなる複合花と考えられている。
この記述をもとにすると下の写真は以下のようになる。
外見上の両性花:緑の○で囲った部分
外見上の雄花:青の○で囲った部分
本来の雌花:赤の○で囲った部分。雌蕊は2本の花柱からなる。
本来の雄花:黄色の○で囲った部分。葯は赤色。

この写真で青の丸で囲ってある「外見上の雄花」には「外見上の萼片」=「本来の包葉」が2枚あるので、「外見上の雄花」は「本来の雄花」が2つ集まったものであろう。
ラベル:生物学
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