ウォールデン湖の周辺は、マツ・ナラが混交する二次林。人手の入った日本の里山(たとえば関西のアカマツ・コナラ林)と似たようなものだと思う。アメリカ北東部の平野部に一般的な森林だと思われる。ケープコッドの森林とよく似ている。Eastern white pineが周囲から突き出ている。

Black oakとEastern white pine。

Eastern white pineの樹冠。

Pitch pine。海岸部のケープコッドではこの種が優占するが、マサチューセッツ州内陸部ではEastern white pineのほうが優占する。

ウォールデン湖では、下の写真のように湖岸に生えているのが目立った。想像するに、かつて湖岸は裸地になっていて、そこにPitch pineがまっさきに定着し、そのまま成長して残ったのではないだろうか?あと何10年もしてpitch pine(陽樹)が枯れると、下から成長してくるEastern white pineやナラ(陰樹)と交代するのではないだろうか。

American chestnut(アメリカクリ)。クリ胴枯れ病(Chestnut blight)のため、地上部は大きく成長できず枯れてしまう。このように根(厳密には幹基部?)から萌芽するので、大木は存在しなくても今のところ絶滅の心配はない。クリ胴枯れ病がアメリカで広がったのは1904年以降なので、ソローが住んでいたころは、クリがもっと多かったかもしれない。「森の生活」にクリは登場するのだろうか?

ラベル:生物学