カリフォルニアには夏季落葉性(summer deciduous)の低木、California buckeye(Aesculus californica)がある。トチノキ属は、世界に約15種あり、日本のトチノキを含めてその多くは冬季落葉性の高木であるが、常緑性の種もあるらしい。落葉性と常緑性の進化を考える上で興味ふかい属である。
フレズノからヨセミテに向かう途中のGray pineが優占するウッドランドの中に生えている。
たわわに実っている実は確かに栃の実そっくり。
よく見ると実のついた枝の先端の葉だけかろうじて緑が残っている。
観察してみると、葉が完全に枯れている個体からかなり緑の残っている個体までさまざまだった。もしこの木に夏の間中水をやり続けたらどうなるだろうか?おそらく葉は緑のままではないか?枯れた葉をいさぎよく落とさないところを見ても、ほんとうは葉をつけたままでいたいのではないかと思われる。年中湿潤な場所にいた常緑性の祖先から、夏少雨という環境で夏期落葉性へと進化したのではないかと思われる。
ラベル:生物学
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