9月のカリフォルニア訪問で、5月には見なかった6種のマツを見た。5月には5種を見た( https://vegetation.seesaa.net/article/a862853.html)。9月に見たLodgepole pineは、5月に見たBolander pineと同種だが、別亜種とされる。これで、カリフォルニア産マツ属18種のうち、11種を見たことになる。
Jeffrey pine (Pinus jeffreyi)。シエラネバダの西斜面高標高から東斜面中標高にかけて分布する。シエラネバダの西斜面中標高に分布するPonderosa pineに近縁で交雑可能。Ponderosa pineより低温または乾燥条件に生育する。葉はPonderosa pineに比べて青みがかる。Ponderosa pineの幹が亀甲状にひび割れるのに対しJeffrey pine の幹はたてにひび割れる。

Jeffrey pineの球果はPonderosa pineより一回り大きい。形はより丸っこい。Ponderosa pineと同じく三葉マツ。

シエラネバダの高標高で優占するLodgepole pine(Pinus contorta subsp. murrayana)。幹は白っぽく、遠めに見るとほとんど平滑。近くでみると細かくフレーク状にはがれている。


Western white pine (Pinus monticola)。シエラネバダの高標高に出現。

Sugar pine(Pinus lambertiana)に似るが、以下の点で異なる。Sugar pineの樹皮はたてにひび割れるのに対し、Western white pineの樹皮は亀甲(鰐皮)状にひび割れる。枝先から垂れ下がる球果のつき方や形はそっくりだが、Western white pineの球果の長さはSugar pineの半分ほど。Sugar pineと同じく五葉マツ。

Whitebark pine (Pinus albicaulis)。シエラネバダのマツ属の中で、一番高標高まで分布する。樹高15mほどの低木。このように1か所から何本も生えていることが多い。動物の貯食行動が原因だと考えられている。五葉マツ。

Foxtail pine (Pinus balfouriana)。シエラネバダの南部の高標高に分布。ヨセミテには分布せず、ホイットニー山登山道に多い。

Foxtailという名のとおり、シュートはキツネのしっぽ、またはブラシ状。未熟な球果には短いトゲがあるが、熟すと落ちる。五葉マツで、5本の針葉がぴったりくっついた束になっている。

Bristlecone pine (Pinus longaeva)。シエラネバダからOwens Valleyをはさんだ東にあるホワイトマウンテンズの山頂部に分布する。世界最長寿命の樹木。

シュートは近縁種のFoxtail pineにそっくり。球果のトゲは長く、熟した後でも宿存する。Foxtail pine同様、五葉マツで、5本の針葉が束になっている。

Pinyon (Pinus monopylla)。シエラネバダの東斜面からホワイトマウンテンズにかけてのウッドランドに分布する。カリフォルニアのマツ属で一番乾燥した環境に生育する。

一葉マツ。種子は巨大で食べられる。ネイティブアメリカンの主要な食料だったらしい。

ラベル:生物学