2010年09月10日

ツガ林

国立公園のパンフレットによると、ツガ林(Hemlock forest)は、標高910m(3000feet)以下の沢沿いと、標高1220m(4000feet)以下の乾燥した斜面や尾根に成立するという。湿った沢沿いと乾燥した尾根では正反対の環境のようだが、沢沿いといっても、土壌の発達した肥沃な場所にはcove hardwood forestが成立し、Hemlock forestが成立するのは土壌が未発達の岩礫地ではないかと思われる。岩礫地は沢沿いであっても雨が降らなければかなり乾燥する場合があるのだろう。
 
Fraser firがヨーロッパ原産のBalsam woolly adelgidによって壊滅的な被害を受けたのと同様、Eastern hemlock(Tsuga canadensis)は、中国・日本原産のhemlock woolly adelgidによる被害を受けている。
 
下の写真はChimney Tops Trailの起点からすぐの本流沿いのHemlock forest (標高1000m)。ほとんどのhemlockが枯れている。下層にはシャクナゲ(たぶんrosebay rhododendron、Rhododendron maximum)が密生する。
イメージ 1
 
こちらが、乾燥した尾根と斜面のツガ林。やはりほとんど枯れている。一番手前の黄緑色の部分は谷沿いのcove forest(Chimneys Picnic Area)。斜面の谷部は広葉樹林になっている。標高1000mから1400mにかけて。稜線を左にたどっていくとChimney Topsが見える。
イメージ 2
 
球果のついたhemlockのシュート。形態は日本のツガによく似ている。ただ、生態的性質はちょっと違っていて、日本のツガにくらべて耐陰性が強く、暗い林床でも稚樹をよく見かける。
イメージ 3
 
ラベル:生物学
posted by なまはんか at 04:09| Comment(0) | グレートスモーキー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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