今年はずいぶん立派な花が咲いた。
今朝、観察してみた。
ついている花はすべて雄花である。
カジカエデは雌雄異株(dioecious)なので、本種もそうであろう。
この個体はオスということになる。
『日本の野生植物木本II』によるとカジカエデの花序は以下のようである。
「花序は総状、前年枝の仮頂芽および側芽から生じ、長さ3-5cm、花柄とともに白色の短毛がある。花は5数性ときに4数性、淡緑色で紅色をおび、雄花では萼および花冠は部分的に合着して、長さ5mmほどの鐘型の花被筒となり、雄蕊は7-10本、花盤の上につき、花被筒より長く、退化雄蕊は微小」
載っているカジカエデの写真を見ると、雄花は確かに先がすぼんだ鐘型であり、「淡緑色で紅色をおび」というよりは花被筒だけでなく花序全体が同じ赤色を呈している。
それにくらべると本種は、花序の長さは8cmと長いものもあり、花柄には白色の短毛だけでなく長毛も混じり、雄花の花冠は合着せずにはっきりと開き、花序全体が淡緑色で紅色はおびない、などの点で異なる。実体顕微鏡で花盤を見ると、花蜜が分泌されているのは見えるが、退化雄蕊らしきものは見当たらない。
ラベル:生物学
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