キリマンジャロの50㎞西にあるメル山の麓(標高約1500m地点)からキリマンジャロを見たところ。上のほうは雲の中だがよーく見ると雲の下に左側(北側)の稜線が見える。ハワイと同じように非常に緩やかで6000m近くの高さがあるようには見えない。キリマンジャロは東西に長く南北に短いので、この角度から見ると一番急に見えるはずなのだが、それでもこんなもの。キリマンジャロが位置するアフリカ地溝帯はハワイと同様、地殻の下のマントルが溶けて地上に吹き出てくる場所(ホットスポット)であり、そのようにして生じる溶岩は流動性が高い玄武岩であるため、なだらかな火山が形成される。
キリマンジャロは単独峰としては世界最高といわれるが、細かく見れば3つの年代の異なる山体が東西に並んでいる。一番西にあるのがShira火山で、75万年前から活動を始め、50万年前に巨大なカルデラを残して活動を終了した。続いて一番東側でMawenzi火山が噴火を始めた。46万年前にShiraとMawenziの間に噴火が起こりKibo火山が形成され、噴出物がShiraとMawenziとの間にたまり緩やかな鞍部が形成された。このKiboが、現在のキリマンジャロの主峰であり、現在は活動を休止しているだけの休火山である。
この写真はShiraの西側の外輪山(Shira Ridge, 最高点の標高3962m)を超えてカルデラの中心部(標高3500m)に向かっていくところ。前方右側のギザギザした山並みがカルデラの南側の外輪山(標高3700m)である。左側に見えるのがKiboの山裾で、その下にはShiraの東側の外輪山が埋まっている。Shira火山のカルデラは浸食が進んでなだらかな地形となり、Kiboの西側に台地状に広がっているのでShira Plateauと呼ばれる。
そのShira Plateauの中心部にあるShira 1 Campから東側にあるKiboを見たところ。一番高く見えるあたりは山頂部北側の氷河で標高5800m程度。最高点のUfuruピーク(5895m)は右側の低く見える部分にある。
そのKiboの約5000m地点(上の写真では右側の稜線の雪がある部分の下側あたりだろう)から東のMawenzi(標高5149m)を見たところ。阿蘇の根子岳に似ている。目の前には巨大なU字谷South East Valleyがある(氷食地形であろう)。谷の右上(写真右端の雲の下)にKosovo Camp (4860 m)が見えている。KiboとMawenziの間の鞍部の標高は4300m
ラベル:アフリカ