植物生態学の古典的論文のひとつに、1947年にイギリス生態学会誌に発表されたAlex S. WattのPattern and process in the plant communityというのがある(Journal of Ecology 35: 1-22)。いわゆるギャップダイナミクスの先駆けとなる「再生複合体(regeneration complex)」という概念を提唱した論文である。その実例として7つの植物群集が取り上げられていて、森林としてはブナ林が出てくる。パッチ構造を持った、さまざまな樹齢の個体からなるブナ林(all-aged beechwoods)が存在する場所としてthe Chilternsという地名が出てくる。これはロンドン北西部の郊外、ロンドンとオックスフォードの中間に位置する丘陵地帯、Chiltern Hillsのことである。3本の鉄道(チルターン鉄道の2本とロンドンミッドランド)がこの丘陵地帯を横断しているので、ロンドンから電車で40分程度で行くことができる。
これはLondon Midland鉄道のTring駅から歩いて30分ほどの森(Aldbury Nowers Wood)。

林床がスカスカなのは、ブナの樹冠が厚くて暗いせいもあるが、シカの食害の影響もあるだろう。根返りした倒木があり、うっそうとした感じに見えるが、周りは牧場や畑や針葉樹の造林地であり、この森も以前は畑か放牧地であっただろう。
同じ場所を11月に再訪。

10月のWendover Woods。

こちらが葉と実。ヨーロッパブナFagus sylvatica。

ラベル:生物学
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