センター試験の理科総合Bにハワイ諸島とガラパゴス諸島に関する問題が出ていた。問題の冒頭では「ともに一度も大陸と陸続きになったことのない火山島からなる」という共通性が示されているものの、その後では「ハワイ諸島は列状に並んだ火山島の島々からなる」、「ハワイ島の大洋底からの地形」、「ガラパゴス諸島の・・・島の植生の分布と標高の関係」など、ハワイ諸島とガラパゴス諸島について別個に尋ねる設問ばかりであった。しかし、これら(プレートの移動とホットスポットによる形成、玄武岩質の楯状火山、植生への貿易風の影響)はすべて両方の諸島に共通する点である。
ところで、楯状火山(shield volcano)であるが、残念ながら日本には存在しない。ふつうはハワイ諸島とガラパゴス諸島のように、大洋中の島として存在する。大洋底(つまり海洋地殻)から噴出した玄武岩からできているためだ。しかし、例外が2か所だけあって、東アフリカと北アメリカ太平洋岸では、大陸上に楯状火山が存在する(Wikipedia, List of shield volcanoes, なんと金星と火星にもあるらしい)。
北アメリカ太平洋岸では、カリフォルニア州北部からブリティッシュコロンビアに至るカスケード山脈とアラスカにいくつか楯状火山が存在する。これら各州にまんべんなくポツポツあるようだ。カスケード山脈ではワシントン州のセントへレンズ山が近年噴火を繰り返していることで有名だが、セントへレンズを含めてカスケード山脈の山々もふつうは日本の火山と同様の安山岩質の成層火山(stratovolcano)である。
アラスカ南東部には以下のような楯状火山がある:Duncan Canal、Mount Wrangell (例外的なandesitic shield volcano)
アリューシャン諸島にはUmnak IslandにMount Okmok がある。
ラベル:その他自然科学