2012年01月15日

日本の木材輸入先

今年のセンター試験の地理Aに興味深い問題が出ていた。
日本に輸入されている林産物について、輸入額上位2か国を選ばせるというものだ。
正解は以下のよう。
 
合板(主に建築材や家具材として加工されたもの) マレーシア・インドネシア
丸太・製材      カナダ・ロシア
木材チップ(主に紙の原料として加工されたもの)  オーストラリア・南アフリカ共和国
 
インドネシアやマレーシアでは、今でも森林伐採を目にするが、丸太の輸出は禁止され、かわりに合板などを輸出しているらしい。メランチやラワンが原料。メランチはフタバガキのインドネシア名。ラワンもフタバガキ科の総称らしい。マレーシアサバ州では、セラヤと呼ばれている。
 
日本では、木材の輸入先によって、次のように分類されるらしい。http://watashinomori.jp/study/basic_01-5.html
米材(北米材):カナダ・アメリカ(製材・パルプ・チップ・丸太)
南洋材:マレーシア・インドネシア(合板)
北洋材:ロシア(丸太)
欧州材:ヨーロッパ(製材)
その他外材:オーストラリア・南アフリカなど(パルプ・チップ)
 
近所の日曜大工屋に行くと以下のような木材を目にする。
米ツガ(ウエスタンヘムロック)、 米マツ(ダグラスファー)
これらは、北米太平洋岸に分布する樹種で、カナダとアメリカから輸入されている。
 
ファルカタ(マメ科)、ラミン(Gonystylus)
これらはマレーシア・インドネシア産だと思うが、合板ではない。丸太でなくて製材として輸出されているということだろうか?それとも別の国から輸入されているのか?
 
木材チップの輸入先として、オーストラリアと南アフリカが上位2国なのが意外であった。ネットで調べてみると、オーストラリアの場合は、ユーカリなどの広葉樹が使われているらしい。タスマニアでは、ユーカリの原生林がそのために伐採され、国際的な問題になっているようだ。伐採後はユーカリがまた植林されるらしい。
 
南アフリカでは植林されたユーカリが日本に輸出されているらしい。おそらくかつては常緑温帯林があったはずである。チリでも同様にユーカリが植林され日本に輸出されている。タスマニアで現在進行中の原生林の伐採という過程は、南アフリカやチリでは(日本でも)すでに起こってしまったということなのだろう。
ラベル:生物学
posted by なまはんか at 06:18| 覚え書き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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