2011年10月20日

セミナー

ハーバード大学の植物標本館では、毎週火曜日の12時からセミナーが行われていた。
 
これはちょうど昼休みの時間なので、セミナーは食事をしながら聞いてもOKということになる。アメリカの大学の少人数教室でふつうそうであるように、会場の部屋には机付きの椅子が置いてある。見ると毎回半分ぐらいの人は、その小さい机に飲み物や皿を置いて食事をしている。参加者のほとんどは白人なので、サラダやサンドイッチを食べている人が多かった。自宅からタッパーに入れてきている人もいたし、カフェテリアで白い紙皿に盛ってきている人もいた。
 
毎回12時開始という告知が電子メールでまわるのだが、12時ごろからぱらぱら人が集まり始め、実際にセミナーが開始するのはだいたい12時10分であった。さすがに大学の授業の場合は時間きっかりに始まるのだろう(私が参加したESLの授業はそうだった)が、セミナーの場合は10分遅れで開始というのが普通なのかもしれない(内部向けのセミナーだけでなく、一般向けの公開セミナーでも10分遅れで始まっていたので)。
 
セミナーの進行も日本と違う。最初に指導教官や訪問先の研究者が講演者の紹介をするのは日本と同じ。しかし、いったんその後講演者にマイクが渡ると、その後はずっと講演者がマイクを握り続ける。一番違うのは講演後の質疑応答の司会を講演者自身がするという点だろう。これは、アメリカ生態学会やATBC(Association for Tropical Biology and Conservation)のような国際学会でもそうなっているので、欧米では一般的なことのようだ。
質疑応答では、日本の生態学会でたまにあるような、講演者を頭ごなしに否定するような感じの質問はまずなく、研究を発展させた場合どうなるかといったような建設的な質問が多い。技術的なことを細かく聞くというような質問もあまりない。参加者の専門分野が多様だと、あまり細かい技術的な議論はしないのがマナーなのかもしれない。 
 
昼食時にセミナーというのは、欧米では普通なようだ。私の出身大学院では、欧米滞在経験が豊富な教授が主導して何回か行ったが定着しなかったように記憶する。今はどうなんだろう?日本でも最近は一般的になりつつあるようで、ふつうlancheon seminarと呼ばれている。生態学会でも出版社がそのような企画をしているのを目にする。
ラベル:北アメリカ
posted by なまはんか at 03:46| ボストン生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする