アメリカはカード社会で、現金を使わずにカードだけでもほとんどの買い物ができる。
日本では一般的ではないが、デビットカード(debit card)というのが広く使われている。銀行の口座からカードによって支払いができる。読み取り機にカードを差し込んでスライドさせ(swipe)、4ケタの暗証番号を入力する。小売店のレジにはそのための読み取り機があり、地下鉄や電車の券売機でも使える。スーパーやドラッグストアなどでは、デビットカード専用の無人レジがあり大変便利である。
私もアメリカの銀行に口座を開き、デビットカードとクレジットカード兼用のカードを作ってもらって使っていた。銀行通帳は作る必要がなく、ネットで入金と支払いの履歴を見ることができる。アメリカの銀行口座には貯金用saving口座(利子がつく)と入金・支払い用のchecking口座(利子がつかない)の2種類があり、この2つの間のお金の移動はネット上で無料で即座にできる。アメリカから日本に帰国するときに口座を閉じてもよかったのだが、日本に帰国してもクレジットカードとしては使えるし、銀行に行く時間もなかったのでそのままにしていた。
そして・・・最近になって、銀行から自動で送信される不正使用の可能性を警告するメールがあり、ネット上で支払い履歴をチェックすると、なんと私のカードがアメリカで不正に使用されていることが発覚した。だれかがアメリカのカリフォルニア州の酒屋とガソリンスタンドで私のカードを使って私の銀行口座から支払いをしていることになっている!カードは今ここに手元にあるので、紛失したわけではない。アメリカではカード読み取りのさいに番号や暗証番号を盗む手口もあるようだが、不正使用がおこなわれたのは最近なので、日本帰国後にインターネットで買い物をした際に番号を盗まれたのではないかと推測している。
銀行に国際電話をかけて新しいカードに変えてもらうように頼んだ。家のひかり電話ではコレクトコールがかけられず、結局自己負担で電話した。よくあることだが、通信技術が進んでも便利になったのか却って不便になったのかわからない。電話が通じてもたらいまわしされ、かなりの時間を費やした。電話での英会話には不安があり、首尾よく行ったかどうかやや心配である。とりあえずカリフォルニアの酒屋とガソリンスタンドの支払い分は返金されていたのでほっとしている。しかし、今見たところ、新たに不正な支払いが確認された。少額なのでまた電話をするのも億劫である。電話代のほうが高くつくと何をしているのか訳がわからなくなる。とりあえず残金をchecking口座からsaving口座に移して様子をみることにする。
今まで日本でもクレジットカードを使ってきて、何の問題もなかったのだが、ついに犯罪の餌食になってしまった。カードは便利だけれども注意しなければいけないことを再認識させられた。現金も落としたり盗まれたり、やはり注意が必要なので、特に多額な金額を持ち歩く危険性を考えると、現金のみ使用という主義にするのも難しい。気を付けてカードを使うしかないのかな、と思う。
ラベル:北アメリカ