2023年04月01日

山線(函館本線)はなぜ山線になったか?

札幌ー長万部間の函館本線(小樽経由)通称「山線」は、室蘭本線ー千歳線(室蘭経由)通称「海線」に比べ距離が短いものの、「(長万部から)小樽駅までが単線な上、急勾配・急曲線が連続する(Wikipedia)」ため、特急列車の通行には適さず、現在は赤字ローカル線となっている。北海道新幹線が開通した場合は廃線になるだろう。

なぜ山線は海岸部ではなく、内陸部を通るのだろうか?『北海道の電信電話史』(1964)に以下のような記述があった。

この鉄道ははじめ日本海の沿岸集落を縫って布設する予定だったが、「波打ちぎわを、黒煙をはき、ごう音を発して汽車が走ったのでは、にしんがいっそう寄りつかなくなる」というにしん場の親方連の反対があったため、沿岸を避けて内陸を通すことになったのである。
 鉄道の開通とともに、停車場には電信取扱所が設けられた。(61−62ページ)

本道で特設電話のトップを切ったのは岩内で、ここは明治20年(1887)ころから40年にかけて、にしん漁で栄え、33年には福山(松前)とともに早くも1級町村制が施行された。(96ページ)

寿都と岩内の間の雷電峠には、明治14年に電信線(電報用の通信線)が通され、少なくとも明治24年までは存在したいたらしい(30ページ)。

ところが、明治末の市外電話ルート(105ページ)を見ると、寿都と岩内の間にはルートがない。岩内は小樽経由で札幌と繋がり、さらに室蘭経由で海底ケーブルにより函館とつながっている。寿都は函館とつながっているが、寿都から北上した電話ルートは歌棄を経由し美谷(現在の寿都町歌棄町美谷)で終わっている。したがって、この頃、寿都と岩内の間の雷電峠を越す電話線はなかったのだと思われる。雷電峠の電信線も廃止されたのだろうか?

山線の長万部ー小樽間が全線開通したのは、1904(明治37)年のことである。

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2023年03月07日

雪鳴りと根開き

鹿児島から札幌に来て、雪にまつわる言葉で新しく知ったもの。
雪鳴り。氷点下に冷え込んだときに、雪を踏むとキュッキュッという音。NHKのお天気お兄さん(浜崎さん)、ありがとう。

根開き(ねあき、ねびらき)。木のまわりの雪が溶けて窪んでいる様子。春の季語だそう。昔からこの現象にはきづいていたが、この言葉は最近知った。NHK札幌のお天気お姉さん(杉山さん)、ありがとう。

NHKさわやか自然百景(2023年7月23日鍋倉山)によると、根開け(ねあけ)ともいうよう。

根開きの文献。
下川和夫(2001)雪解けを観察しよう『雪と氷の自然観察』93-96、平凡社
小島賢治(2005)木の周りの雪の凹みは木が生きているから?『雪と氷の事典』165−166、朝倉書店
posted by なまはんか at 18:41| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月11日

JPCZと村松バンド

2021年1月始めに北陸地方に豪雪をもたらしている日本海にのびる帯状の雲はJPCZ(Japan sea Polar air Covergence Zone)というらしい。シベリア高気圧から吹き出す寒気が白頭山(2770m)などの2000m級の北朝鮮北東部の山々(摩天嶺山脈?)によって2つに分断され、日本海上で収束することで生じる。

これと同様の帯状の雲はロシア沿海州のシホテアリニ山脈(最高峰トルドキ・ヤニ山2090m)により北海道沖の日本海にも形成され、村松バンド(この現象に気付いた気象庁研究者にちなむ)と呼ばれている。2020年12月の岩見沢の豪雪はこのため。以下に解説あり。
http://3m15s.blog.fc2.com/blog-entry-335.html

以下の269ページ以下にJPCZと村松バンド両者の説明あり。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/expert/pdf/textbook_meso_v2.1.pdf
posted by なまはんか at 01:15| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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